クロントゥーイ市場の一角には多くの肉屋が集まっているようだ。この一角に来ると、どこもかしこも肉屋だらけで、どこからどこまでがひとつのお店なのかは判然としない。もしかしたら、全部同じお店なのかもしれないと思ってしまうくらいだ。テーブルの上にはありとあらゆる肉が並べられていて、テーブルの奥では大勢の人が働いている。ここで手に入らない肉は無いのではないだろうか。
写真の女性はそんな肉屋の集まる一角で働いていたひとりだ。手には包丁を持っていて、肉を細かく捌いていた。僕が何をしているかは知っているはずなのに、カメラの方を見てはくれない。かといって、差し当たって捌かなければならないものは無いようだった。僕がシャッターを切っている間、女性はしばし手を止めて遠くの方を眺めている。それが見知らぬ異邦人が写真を取っているのをやり過ごす方法なのだ。
よく見てみると、女性の顔には白いものが塗られている。これはタナカに違いない。ミャンマーでは掃いて捨てるほど顔に塗っている人を見掛けたけれど、タイで塗っている人を見掛けたのは初めてだ。とある記事によると、タイでも今このミャンマー原産のタナカを顔に塗るのがちょっとしたブームになっているらしい。でも、本当のところはどうなのだろう。タイを旅している期間中、この女性以外に塗っている人を見掛けることはなかった。
2018年4月 人びと タイ | |
バンコク クロントゥーイ市場 タナカ 女性 |
No
10531
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月23日
更新日
2024年02月19日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA