バンコクにあるクロントゥーイ市場はどこでも賑わっているわけでもなく、閑散としているエリアもある。ちょうど閑散しているエリアを歩いていた。営業しているお店はひとつもなく、通路の両脇にあるのはお店の残骸ばかりのようだ。棚の上に雑多なものが置かれているけれど、どこにも商品は並べられていない。周辺に穏やかな空気が漂っていた。
そんな場所を歩いていると、ふと気配を感じた。しかしお店はどれもこれも閑散としていて、人のいる気配はない。よくよく周囲をうかがってみると、いたのは人ではなく猫だった。猫が棚の上の計量器の横におすわりしていて、のんびりとしている。人間は誰もいない。だからこそ、そこは猫がのんびりくつろぐのに格好の場所になっていたのだ。
猫の存在に気づくとほぼ同時に、猫は猫で僕の存在に気が付いている。僕をちらっと見ると、猫は視線を斜め上の方に向けている。せっかくひとりでのんびりとしていたのに、カメラを持った面倒くさそうな人間がやって来たとでも思っているに違いない。とっととどこかへ行ってしまえと言いたそうな表情だ。見ていると、舌打ちする音が聞こえてきそうだった。
2020年3月 動物 タイ | |
バンコク 猫 クロントゥーイ市場 市場 リラックス 棚 計量器 |
No
11430
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年03月05日
更新日
2023年09月09日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA