女性は頬杖を突いてぼんやりしていた
すっかり有名になったメークロンの線路市場を歩いていた。でも列車が市場の中を通るのにはまだまだ時間がある。特に何もすることのない僕は、細長い市場の中をウロウロと彷徨っていた。田舎町にある市場がそれほど大きい訳もなく、あっという間に端から端まで歩き尽くしてしまう。暑さの中で徐々に気怠さに襲われてくる。メークロンの町にやって来る列車は一日に4往復しかしないから、計画的にこの町を訪れないと列車が来るのを何もすることなく、ぼんやりと待つ羽目になってしまうのだ。僕は来るのがちょっと早過ぎたようだ。
あてどなく市場の中を歩いていると、僕と同じように気怠さに苛まれてしまった女性を見つけた。女性は市場の中のお店で働いているのだけれど、あまり働く気は無いように見える。覇気が感じられないのだ。頬杖を突きながら、ただただぼんやりとしている。僕が目の前に立ち止まっても、視線を僕に向けてちょっと動かしただけで、体を動かそうとする気配は無かった。
| 2018年6月 人びと タイ | |
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PHOTO DATA
No
10620
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月25日
更新日
2024年02月10日
撮影場所
メークロン線路市場 / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA
