ミャンマーのヤンゴンで撮影。
メジャーな観光地でもあるスーレー・パゴダは面白いことにラウンドアバウトの真ん中にある島の上に建てられている。寺院を訪れるには大きな道路を横断しなければならない構造になっているのだった。このような構造は、神聖なる仏閣を俗世間から隔離するためのものであるような気もする。でも、実際のところはどうなのだろう。スーレー・パゴダの基盤部分は俗世のお店に占拠されてしまっている。隔離しようと思っているのであれば、ちょっと不十分だろう。結果として、スーレー・パゴダの境内は俗世の店舗の上にある。つまり天上界は普通のお店の上にあるのだ。僕の頭上にも知らないだけで、天上界が広がっているのかもしれない。
ラウンドアバウトの端に立って、スーレー・パゴダを眺めていた。しばらくすると、視界に女性が現れた。女性は強い日差しを避けるために日傘を差している。そして、車の往来が途切れた瞬間を見計らって道路の横断をし始めた。女性の向こうには黄金に輝く仏塔が降り注ぐ太陽を浴びながら静かにそびえていた。