列車がメークロン線路市場の真中をゆっくりと走っている。そして、僕のような観光客が興味深そうに眺めていた。ついさっきまで市場の中だった場所は、庇も商品もすっかり片付けられていて、今は単なる線路になっている。それでも、誰かが片付け忘れたものに列車がぶつかるのではないかと心配になってしまう。それくらい列車はギリギリのところを走っているのだった。でも、実際には一番危ないポジションにいるのは身を乗り出して見ている観光客だ。列車の運転手も観光客を轢かないように気を配っているに違いない。
興味津々の観光客とは対照的に、地元の人たちは目の前を列車が走っていても冷静を保っている。写真に写っている市場で働いていた男もそうだ。線路脇に立っているものの、列車には興味が無いようだ。じっと虚空を眺め続けている。ここを列車が通るのは、数が少ないとはいえ毎日のことだ。もう見飽きているのだろう。男は目の前を静かに通り過ぎていく列車をぼんやりとやり過ごしていた。
2018年7月 人びと タイ | |
メークロン メークロン線 男性 市場 刺青 列車 |
No
10649
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月15日
更新日
2024年02月08日
撮影場所
メークロン線路市場 / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA