ひと通り洋館の中を巡ったので、今度は同じく駒場公園の中に建つ旧前田侯爵邸の和館へと向かう。家族の居室も設けられていた洋館と違って、こちらはもっぱら接客に使われていた模様。なんでもロンドン駐在武官であった前田侯爵が海外からの賓客を接待するために建てたとされる。洋館も瀟洒だけれど、この和館も負けてはいない。違い棚や欄間の透し彫など日本建築の粋を集めて建てられている。
玄関を入って真っ直ぐに行くとすぐに広間があり、その先に日本庭園が待ち構えている。なんとも日本的な光景だ。洋館で接客しても良かったのだろうけど、西洋から来た賓客に西洋建築を見せつけてもあまり感心されないに違いない。日本人としてどれだけ贅を尽くして造ったものであっても、本場の人間には猿真似程度に映ってしまう可能性は否定できない。それは面白くない。そうなるくらいなら自国の文化の粋なところを見せた方がずっといい。冷静にそのように計算した考えた前田侯爵は、洋館の隣にわざわざ接客用の和館を建てたに違いない。
2022年7月 建築 東京 | |
扉 庭園 ガラス 駒場 窓 |
No
12318
撮影年月
2022年5月
投稿日
2022年07月06日
更新日
2023年08月12日
撮影場所
駒場 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35