女性が「8枚のガラス板」の前に立って、ガラスに映る移ろう世界を鑑賞していた

ゲルハルト・リヒターの「8枚のガラス板」
ゲルハルト・リヒターの「8枚のガラス板」
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北の丸公園にある東京国立近代美術館にやって来た。東京国立近代美術館は、上野にある国立西洋美術館のように建物が世界遺産に登録されているわけでもなく、木場にある東京都現代美術館のように現代美術に振り切っているわけでもない。なんとなく地味な美術館だ。でも、それがいい。収蔵品もアンリ・ルソーがあれば、岸田劉生もあり、藤田嗣治の戦争画を横目に進んでいくと村上隆があったりして幅広い。もっともこの美術館で僕が一番のお気に入りは収蔵作品ではなく、「眺めのよい部屋」という某映画と同じ名前を付けられた休憩室だけれど。

この日、東京国立近代美術館に来たのは「眺めのよい部屋」でのんびりするためではない。ゲルハルト・リヒター展が催されていたからだった。中に入るといきなりリヒターの代表作のひとつである「8枚のガラス板」が視界に入ってきた。立てかけられた8枚のガラスなのだけれど、ただのガラスではない。約35%は鏡のように像を映し、65%は向こう側が透けて見える特殊なガラスなのだ。確かに作品を眺めると向こう側の様子が透けて見えると同時にこちら側の様子も反射していた。「何をどう見るか」を鑑賞者に委ねるというリヒターの姿勢を証明するかのように、立ち位置を変えて眺めるたびにガラスに映る世界も装いを変えてくれた。

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2022年11月 人びと 東京
ガラス 北の丸公園 博物館・美術館 女性

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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PHOTO DATA

No

12397

撮影年月

2022年7月

投稿日

2022年11月16日

撮影場所

北の丸公園 / 東京

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS LOXIA 2/35

東京国立近代美術館ってどこ?

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