昔はよく耳にしたのに、最近とんと耳にしなくなった言葉にメセナがある。メセナとは、企業が資金を提供して、文化・芸術活動を支援すること。収益に直接には貢献しない活動を資金的に支援するなんて、今となってはなんとも余裕のある話だ。そう思いながらメセナを調べてみると、日本では1988年の日仏文化サミットを機に広まったようだ。1988年といえば、バブル経済の真っ最中だ。日本にお金が余りまくっていた時代にそのような余裕のある行為が流行ったのも至極納得だ。
僕が企業のメセナ活動と聞いて思い浮かべるのは、渋谷にあるBunkamuraだ。東急グループの「文化戦略」の中核を担うものとして作られたBunkamuraには美術館、ミニシアター、コンサートホールが設けられていて、メセナからイメージする活動にぴったりだ。そんなBunkamuraが長期閉館するというので訪れたら、1階のギャラリーで永井博の展覧会が催されていた。バブル景気真っ只中にオープンしたBunkamuraの最後に、1980年代のシティポップのレコードジャケットを描いていた永井博のイラストが飾られているのは意味深のように思えた。
2023年6月 人びと 東京 | |
ギャラリー 絵 渋谷 シルエット |
No
12513
撮影年月
2023年3月
投稿日
2023年06月24日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
渋谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III