一階にあるカフェを横目で見ながらずんずん進んでいくと吹き抜けになった空間に名前の由来になった螺旋スロープがある。その天文台から望遠鏡を取り除いたような空間に巨大な抽象画が展示されている。親分のような巨大な作品以外にも、二階へ上がっていくスロープに沿って作品が飾られていて、空間はふわふわした光を捉えたような柔らかい絵画で満ち溢れていた。この日、スパイラル・ガーデンでは曽谷朝絵展「とことこふわり」が開催されていたのだった。
作品を眺めながら螺旋スロープを上がっていくと、どこまでも続くスロープに数え切れないくらい多くの作品が飾られているように思ってしまう。けれど、そんなわけはない。緩やかに登っていくスロープは、あっという間に雑貨のセレクトショップへとたどり着く。あまりにもスムーズに展開するので、目の前にあったアート作品があっけなく洒落た雑貨に乗っ取られた気分だ。
もう少し光と色彩の世界に浸ろうと思い、セレクトショップを出て上から作品が並べられた空間を眺めていた。スロープ沿いに掲げられた作品群を見ていると、それぞれの作品がセレクトショップへ誘導する進入灯のようにも見えてきた。どうりであっという間にセレクトショップに入ってしまったわけだ。
2022年8月 町角 東京 | |
青山 絵 |
No
12360
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年08月29日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
青山 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35