石内都の作品が展示されていると聞いて、銀座にある資生堂ギャラリーにやって来た。石内都は木村伊兵衛賞も受賞している日本を代表する写真家だ。その個展「石内都 初めての東京は銀座だった」が催されていたのだ。
群馬県桐生市で生まれ、神奈川県横須賀市で育った石内都にとって初めて訪れた東京は銀座で、叔母にジャズ喫茶に連れて行ってもらうためだったという。真偽のほどはさておき、このタイトルは東京で生まれ育った僕に格好よく響く。銀座という地名がもつイメージもあるのだけれど、銀座ではなく「初めての東京は新宿だった」でも「初めての東京は池袋だった」、「初めての東京は赤羽だった」でも格好いい。どこであっても自分の意志で選んだという事実が、初めての東京に意味を持たせているのだ。
そう考えると東京の産婦人科で産声を上げた僕は、初めての東京になるような場所を自らの意思では選んでいない。僕にとっての「初めての東京」は振り返ると必ずいる、のっぺらぼうのようなものなのでしかない。
2024年5月 町角 東京 | |
ギャラリー 銀座 シルエット |
No
12585
撮影年月
2023年9月
投稿日
2024年05月01日
更新日
2024年05月14日
撮影場所
銀座 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF