嘉義の町は阿里山の麓にある。阿里山といえば茶葉の産地として有名だ。だから、この町にも茶を売る店が多くあるのだろうと勝手に思い込んでいた。けれど、それは僕の思い違いだった。町を歩き回ってみても、茶店はほとんど見当たらなかった。むしろ、台北の方が茶店の数はずっと多いように思える。
そんな状況の中で、ようやく一軒の茶店を見つけた。少しほっとしながら店内に足を踏み入れると、店主が笑顔で迎えてくれた。そして、僕のために茶を淹れてくれることになった。台湾では試飲をさせてくれる茶店が多い。この店も例外ではないらしい。店主は、茶芸の作法に則って、中国茶を一つ一つ丁寧に淹れてくれた。
店主の言葉に甘え、次々と出されるお茶を飲んでいるうちに、気がつくと僕のお腹は水分でタポタポになっていた。でも、そのお茶はどれも香り高く、口に含むたびに阿里山の涼しい風を思わせる味わいだった。僕は満足感に包まれた。
2017年5月 人びと 台湾 | |
嘉義 深鍋 茶 |
No
10148
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年05月20日
更新日
2024年12月06日
撮影場所
嘉義 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA