トンブリー駅の前にある市場は静かだった。ほとんどのお店が閉まっていて、働いている人の姿も疎らだ。市場というと喧騒が付き物だと思っているのだけれど、ここではそれは感じることは出来ない。そんな市場を歩き回っていると、通路の先に人影が見えたので近寄ってみることにしたのだった。人影の正体はエプロンを掛けた女性だった。通路の端に大きな鍋を置いて、唐辛子を炒めているのだった。
鍋の中には唐辛子が山盛りになっている。油まみれになった唐辛子は見るからに辛そうで、見ているだけで汗が吹き出してきてしまいそうだ。女性は大きなお玉を手にしていて、楽しそうに鍋を掻き混ぜている。女性の思ったとおり美味しそうに仕上がっているに違いない。これだけの量の唐辛子を炒めていているのだから、これは賄い甩ではなくて、売り物なのだろう。でも、出来上がったところで、客の姿はどこにもない。女性は客のいない間に下ごしらえをしていたようだった。
2018年9月 人びと タイ | |
エプロン バンコク 唐辛子 お玉 市場 深鍋 女性 |
No
10717
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年09月02日
更新日
2024年02月01日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA