丸い障子窓の向こうに日本庭園が広がっている。このようなシチュエーションと聞いて思い浮かべるのは関東地方の人ならば鎌倉にある明月院、関西地方の人ならば京都にある源光庵が多いのではなかろうか。
不思議なことにどちらにある丸い窓も「悟りの窓」という名が付いている。明月院は臨済宗、源光庵は曹洞宗でどちらも禅宗の寺院であることが関係しているのだろうか。ともかく「悟りの窓」のような名称を聞くと、口をあんぐり開けて眺めるのが不謹慎であるかのように思えてしまう。何か高尚なことを感じなければいけないような気になってきて面倒だ。
東京の代官山にある1919年に建てられた旧朝倉家住宅の中を見学していた。東京府会議長や渋谷区会議長を歴任した名士によって建てられた和風2階建ての住居は広い。ウロウロとしているうちに、薄暗い向こうに丸い障子窓がある部へやって来ていた。障子窓はちょっと開いていて、庭の様子が隙間から垣間見えた。ここは禅寺ではないので、この窓に小難しい名前は付いていない。部屋の名前も何のてらいもなく「円窓の部屋」だった。
2021年8月 建築 東京 | |
代官山 博物館・美術館 障子 窓 |
No
11994
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年08月10日
更新日
2024年06月27日
撮影場所
代官山 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF