おそらく世界で最も有名な日本人画家であろう葛飾北斎は江戸時代後期の人だけれど、ここ墨田区の亀沢にすみだ北斎美術館が開館したのは2016年のこと。実に北斎の没後160年くらいが経過してからだ。
長いこと、縁の地に北斎作品を所蔵した美術館がなかったのももったいない話だけれど、それ以上に興味深いのは美術館を運営する墨田区がもともと北斎の作品を所有していなかった点だ。それどころか美術館を建設する計画が立てられた時点において、墨田区は作品を所有していなかったという。取得できるアテがあったのかどうか分からないけれど、コレクションが一作品もない段階で計画が承認されたのだ。区議会での承認なんていい加減なものなのだろう。
その後なんだかんだと計画は進み、葛飾北斎のコレクターとして世界的に知られていたピーター・モースのコレクションを購入し、浮世絵研究の第一人者である楢崎宗重のコレクションの遺贈を受けてその名を冠した画家の作品を無事にコレクションできている。
ふと美術館の窓から外を眺めると、遠くに東京スカイツリーがそびえているのが見えた。富士山を画題に作品を制作した北斎のことだから、現在に生きていれば東京スカイツリーを画題に東京晴空塔三十六景なんていう作品でも描いていたかもしれない。
2021年12月 風景 東京 | |
町並み 亀沢 博物館・美術館 反射 塔 窓 |
No
12119
撮影年月
2021年10月
投稿日
2021年12月13日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
亀沢 / 東京
ジャンル
風景写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35