大勢のカップルや家族連れが、この小さな西郷山公園に訪れていた。代官山周辺の人気スポットであるこの公園は、崖の縁に位置しており、そこからの眺望は抜群だ。どこにも海は見えないはずなのに、崖の上から街並みを見下ろしていると、不思議と海の気配を感じるような錯覚を覚える場所だ。
公園の中央には小さな丘があり、家族連れが思い思いに寛いでいる。そのうちの一人、お父さんと思しき男性が立ち上がり、家族の写真を撮り始めた。木立の間から見える彼のシルエットは、脚を大きく開いて堂々とした姿をしていた。
「西郷山公園」という名前は人名に由来している。西郷隆盛の実弟、西郷従道がこの地に別邸を構えていたことが名前の由来だ。当時はフランス人建築家レスカスによる洋館と、書院造りの和館が並ぶ壮麗な邸宅があったという。しかし、今ではその面影はすっかり消え、ただ穏やかでのどかな公園として存在している。なお、当時建物が建っていたのは厳密には隣接する菅刈公園の敷地であり、西郷山公園自体にその痕跡は残されていないようだ。
2017年7月 人びと 東京 | |
代官山 公園 シルエット 木 |
No
10225
撮影年月
2016年12月
投稿日
2017年07月26日
更新日
2024年11月17日
撮影場所
代官山 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA