市川の住宅街に周囲の住宅とは一線を画した建物が建っている。東山魁夷記念館だ。この塔のある西洋風の外観を持つこの建物は、その名が示す通り、昭和を代表する日本画家である東山魁夷の業績を顕彰するために建てられたもの。日本画家を讃える建物の外観が西洋風になっているのは、東山魁夷のドイツ留学が彼の人間性と芸術の方向性に影響を与えたからだという。
つまり、この外観はドイツの建築を模しているらしい。ただ、素人にはこの建物のどこが具体的にドイツ風なのかを理解するのは難しい。フランス風だと言われればフランス風に見えるし、ベルギー風と言われればそのように見えてしまう。建築の専門家にとっては、どこから見ても見紛うことなくドイツ風とわかるスタイルなのかもしれないけれど、僕には良くわからなかった。さらに著名な芸術家を称える施設である以上、建物自体にもにウンチクなり想いが込められていてもよさそうな気がするものの、それもない。
良くわからないのは外観だけでなく、展示物も同じだった。東山魁夷の生涯を表した年表はあるものの、実際の作品はあまりない。東山魁夷の作品を十分に堪能したいと思って訪れると、物足りなさを感じるかもしれない。もしかしたら、この記念館自体が900点以上の作品を所蔵する長野県立美術館へ行きたいと思わせる壮大な仕掛けなのかもしれない。
2023年6月 建築 千葉 | |
市川 博物館・美術館 塔 木 窓 |
No
12502
撮影年月
2023年2月
投稿日
2023年06月04日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
市川 / 千葉
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF