上野公園の近くに差し掛かると、角に古い洋館が建っていた。黒田記念館だ。その名が示す通り、この建造物は日本近代洋画の父とされる黒田清輝の遺言によって建てられたものだ。
黒田清輝は17才の時にフランスに留学することになるのだけれど、意外なことに当初は法学を修めるために渡仏したのだという。そして、2年経ってから翻意して絵画を学び始めたらしい。その結果、黒田清輝が日本に持ち帰ってきたのは法学の知識ではなく、当時の最先端の絵画技法だったのだ。黒田清輝の作品は教科書にも載っているから、目にしたことのある人も多いだろう。
古びた玄関をくぐり、記念館の中へと入る。ひょっとしたら、黒田清輝の有名な作品も見られるかも知れないとちょっと期待したのだけれど、やはりそうは甘くなかった。記念館の2階に設けられている展示室に飾られている絵画のほとんどは黒田清輝の作品ではなくて、黒田清輝のフランス留学時代の師匠だったラファエル・コランの作品ばかりだった。
No
11206
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月23日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III