ジャカルタの住宅街を流れる小川はしっかりと護岸されていて、あとは蓋を載せたら今すぐにでも暗渠にできてしまいそうだ。東京にも、かつてはあちらこちらに流れていた小川に、ひとつひとつ丁寧に蓋をした結果、今では暗渠ばかりになってしまっている。東京の道で不自然に右に左に蛇行しているところは、かつて川だったところが多い。それが高度成長期に下水道を整備するために暗渠にされてしまったのだという。
幸か不幸か、ジャカルタの住宅街を流れる川や水路は暗渠にされることもなく、今でも青空の下を流れている。近くを歩いていても、臭く感じることもないから下水道はすでに整備されていて、このような小川に生活排水が流れ込むことはないようだ。
そのような小川にはところどころに橋が架かっている。橋の上には2台のバジャイが停まって客待ちをしていた。古今東西、橋には今いる世界と別世界という違う領域を結ぶものというイメージがある。こちらの世界にも、橋の向こうの世界にも、それぞれのルールがあるから、どちらのルールにも縛られないようにするにはその境目にある橋の上にいるしかない。2台のバジャイは異なるふたつの世界を自由自在に行き来できるように橋の上で客待ちをしていたのかもしれない。
2020年8月 インドネシア 乗り物 | |
バジャイ 青 橋 客待ち ジャカルタ タクシー |
No
11645
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年08月22日
更新日
2023年09月01日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
自動車写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF