中目黒辺りの目黒川沿いは桜の名所だ。といっても、川岸はコンクリートでしっかりと護岸されていて、普段は歩いてもあまり自然を感じることはない。そのような状況が桜の季節が訪れると一変するのだった。川の両岸に植えられている桜が一斉に花を咲かせ、突如として強烈な自己主張を始める。
僕がやって来たのは4月の初めくらいだった。ちょうど桜の時期だ。目黒川の両岸の桜は川を覆うように咲き乱れていて、散ってしまった花びらも川の上で花筏を作っていた。大勢の人が桜を見に訪れていて、僕もそのひとりだ。
ふと川面に目を向けると、1羽の白鷺がいた。浅瀬の中をあっちへこっちへ歩いている。最初は人間と同じように花見に訪れたのだとのんきに思ったのだけれど、観察しているとそうではないようだ。頭上で咲いている桜にはこれっぽちも目もくれず、ずっと川面を見ている。餌になる生き物を探しているのだ。野生の白鷺にとっては、腹の足しにならない桜などには興味を惹かれないのだろう。文字通り花より団子なのだ。
2019年10月 動物 東京 | |
鳥 中目黒 河川 |
No
11223
撮影年月
2019年4月
投稿日
2019年10月05日
更新日
2020年01月16日
撮影場所
中目黒 / 東京
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA