目黒川沿いは桜の名所だ。といっても、川岸はコンクリートでしっかり護岸されていて、普段は歩いてもあまり自然を感じない。それが桜の季節が訪れると一変するのだ。川の両岸に植えられている桜が一斉に花を咲かせ、突如として強烈な自己主張を始める。
僕が桜並木に来たのは4月の初めくらいだった。ちょうど桜の時期だ。目黒川の両岸の桜は川を覆うように咲き乱れていて、散ってしまった花びらも川で花筏を作っていた。大勢の人が桜を見に訪れていた。
ふと川面に目を向けると、1羽の白鷺がいた。浅瀬をあっちへこっちへ歩いている。最初は人間と同じように花見に訪れたとのんきに思ったのだけれど、観察しているとそうではない。頭上で咲いている桜にはこれっぽちも目もくれず、ずっと川面を見ている。餌になる生き物を探しているに違いない。野生の白鷺にとって、いくら眺めても腹の足しにならない桜には惹かれないのだろう。文字通り花より団子なのだ。
2019年10月 動物 東京 | |
鳥 中目黒 河川 水面 |
No
11223
撮影年月
2019年4月
投稿日
2019年10月05日
更新日
2023年10月23日
撮影場所
中目黒 / 東京
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA