薄暗い市場の中に立っていた男

薄暗い市場の中に立っていた男
ミャンマーのヤンゴンにあるチャウタン郡区で撮影 オザワテツ

男は薄暗い市場のお店の中に立っていた

川辺に建てられたチャウタンの市場は薄暗かった。東南アジア諸国で明るい市場というものを訪れたことはないような気がする。そして、その原因は安定した電力が確保できないからということだけではないような気がしてならない。現代の日本人と比べると、東南アジア諸国の人たちはずっと暗闇に慣れ親しんでいるような気がするのだ。

かつて谷崎潤一郎は随筆「陰翳礼讃」の中で日本建築の美は陰影の中にこそあるのだというようなことを書いていたけれど、そのような感覚は僕を含めた現代の日本人からはすっかり失われているのではないだろうか。それとは対照的に、東南アジアの人たちはその感覚を保持し続けているのかもしれない。

いずれにしても、僕は薄暗い市場の通路を歩き回っていた。ところどころに設けられている天窓から日光が降り注いでいる。市場の中の陰影は市場を実体よりもずっと格好いいものにしている。何せ売られているものは何の変哲もないものばかりだ。そして、小さなお店の中には店主の男がじっと佇んでいた。

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チャウタン郡区ってどこ?

PHOTO DATA

No

10962

撮影年月

2018年9月

投稿日

2019年04月06日

撮影場所

チャウタン / ミャンマー

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA

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