路地にあった食堂で男が食事していた。男以外に客はおらず、お店の店主の姿さえ見当たらない。店主も料理を出した後、どこかに行ってしまったようで、男はポツンと個食していた。でも、正確には個食ではない。男が腰掛けたベンチの横に猫が寝ていたし、店の中にも猫が寝ているのが見える。人間は男ひとりだけだったけれど、男は猫と一緒に食事時間を過ごしていたのだった。
前に見た猫と一緒に食事する男は自分の食事を猫にも分け与えていたけれど、この男は前屈みになってひとり黙々と食べている。料理は独り占めだ。ベンチの上にいた猫も特に物欲しそうにはしていない。どちらかと言うと眠そうな顔をしていたから、小腹が減っていなかったのだろう。見たところ、一緒に食事している雰囲気というよりも、たまたま相席してしまったかのようだ。猫が男の近くにいたのは、手が空いたときにでもちょっとかまってもらいたかっただけかもしれない。もっとも男は猫に無関心だったけれど。
2021年4月 インドネシア 人びと | |
バック・ショット 猫 ジャカルタ レストラン |
No
11865
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年04月03日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF