ビストロの入り口は丸いライトが幾つも浮かんでいて宇宙のようだった

恵比寿を歩いていると、地下がレストランになっているマンションが建っていた。マンションには似つかわしくない真っ赤なオーニングの向こうにある階段が地下にあるレストランに向かって下っていた。

調べてみると、ここはビストロ。グーグルの口コミによる評価も悪くない。どのようなお店なのか気になってオーニングの下に入り、お店の様子を窺うとそこにはコスモ的な空間が広がっていた。

優雅に下っていく階段の上には、ところどころに大きな丸いライトが浮かんでいた。薄暗い空間の中に、光り輝く丸い球体が浮遊している光景はまるで宇宙空間に恒星が漂っているかのよう。自ら光を発しないから見えないだけで、恒星の周りには幾つもの衛星があるに違いない。そうだとすると狭い空間に恒星の数が多すぎて、この惑星系は地球のような生物が住むのに適した環境の天体は存在しないのかもしれない。

そのようなことを夢想していると、階段の先にある大きなバラが視界に入った。恒星よりも大きなバラの花はとてもシュールに見えた。

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