927年にまとめられた延喜式に名前が載っているくらいだから、秩父地方の総鎮守である秩父神社の歴史は長い。伝承では崇神天皇10年とされている。西暦でいうと紀元前88年だ。古すぎて神社だって自信を持って2000年を超える歴史を有すると言い難いに違いない。
2000年を超える歴史が史実かどうかはともかく、歴史の古い秩父神社にオモイカネノカミとチチブヒコノミコ、アマミナカヌシノカミの実在したのか良く分からない人物が祀られているのはよく分かる。でもその神話に登場するような神様に並んで、最近(最近と言っても70年くらい前だけれど)まで存命で写真も残っている秩父宮雍仁親王が祀られているのは突拍子に感じてしまう。
近代に生きた人物を祀った神社は日露戦争で連合艦隊司令長官を努めた東郷平八郎を祀った東郷神社や同じく日露戦争で旅順攻囲戦を指揮した乃木希典を祀った乃木神社などがあるので、前例が無いわけではない。でも東郷神社も乃木神社もそれぞれ当人を祀るために建立された神社だ。
それに比べて秩父神社は古い歴史があることから分かるように、秩父宮雍仁親王を祀るために建立されたものではない。神話に登場する神様が祀らているところに後から秩父宮雍仁親王が合祀されたのだ。年齢がかなり離れた大先輩に囲まれ居心地が悪いのではないかと気になってしまう。せめてもの救いは全員が天つ神の系譜にあることだろうか。
2021年12月 建築 埼玉 | |
秩父 門 神社 |
No
12115
撮影年月
2021年10月
投稿日
2021年12月09日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
秩父 / 埼玉
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35