チベットを訪れたことがないのでネパールでしか見たことがないのだけれど、チベット仏教徒が携えているマニ車という仏具が結構好きだ。一口にマニ車と言っても様々な形がある。僕が惹かれるのは真言を印刷した巻物を重りをつけた筒に納めた片手で回転させる個人用のものだ。
カトマンズの辺りにはチベットから逃げてきた人が多く、手にマニ車を持ちながら歩いている人がチラホラいる。クルクルと回しながら歩く姿は、申し訳ないのだけれど、子どもがでんでん太鼓を鳴らしながら歩く姿を彷彿させて微笑ましく見えてしまう。
日本にも密教の信徒はいるものの、残念ながら町をいくら歩いてもマニ車を手に持って歩いている人を見かけることはない。その代わり寺院によっては大きなマニ車、輪蔵と呼ばれることが多い、が設置されているところもある。鎌倉にある長谷寺では高校生のカップルが楽しそうに輪蔵を回して徳を積んでいた。
秩父にある慈眼寺も輪蔵のある寺院だった。参道脇に建つ石造りの一切経蔵の中に輪蔵形式の経庫が備え付けられていた。輪蔵には一切経1630巻が収められていて、7回転させると一切経を全て読んだのと同じ功徳があるのだそうだ。
回すだけで功徳があるのであれば、どのように回しても問題ないようにも思えるけれど、その考えは甘い。清らかな心で輪蔵を回しているのかチェックするかのように、一切経蔵の奥には聖観世音菩薩坐像が鎮座しているのだ。
2021年12月 埼玉 静物 | |
仏像 秩父 マニ車 寺院 |
No
12116
撮影年月
2021年10月
投稿日
2021年12月10日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
秩父 / 埼玉
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35