日蓮宗の寺院である中山法華経寺には、重要文化財に指定されている建造物が数多く残っている。境内には日蓮聖人を祀る祖師堂や、五重塔、法華堂、四足門といった重要文化財の建物があり、その美しさと豪華さに圧倒される。また、一般の観光客は見学できないけれど、法華経寺には国宝も所蔵されている。日蓮聖人の遺文が聖教殿という頑丈な建物に保管されており、その中に国宝も含まれているのだ。つまり、法華経寺は国宝や重要文化財に指定された貴重な遺物が数多く存在する寺院なのだ。
個人的には当時の政治の中心地だった鎌倉から遠く離れた市川に、重要な遺物が残っている事実に興味を惹かれる。日蓮聖人自身は鎌倉でも活動していたのにもかかわらず、鎌倉には彼とのゆかりを感じるものはあまり残っていないのだ。例えば、妙本寺という日蓮聖人とゆかりのある寺院があるものの、法華経寺に残された遺文と比べるとその存在感は劣ってしまう。おそらく、日蓮聖人が他の宗派を批判し、権力者から弾圧を受けたのも影響しているのだろう。特に「立正安国論」では、幕府が法華経を唯一正しい仏法と認めない限り、災害や侵略が起こると警告しており、幕府にとって厄介な存在だったのは想像に難くない。そのため、幕府のお膝元である鎌倉には彼とのゆかりがほとんど残らなかったのかもしれない。
2023年6月 千葉 町角 | |
参道 自転車 門 市川 マスク・仮面 影 寺院 |
No
12505
撮影年月
2023年2月
投稿日
2023年06月10日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
市川 / 千葉
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF