六本木と麻布十番の間にある鳥居坂を上がった辺りは、かつて大名屋敷が並んでいたのだという。前川國男、坂倉準三、吉村順三の三人が建物を設計した東京文化会館は多度津藩藩主京極壱岐守の上屋敷だったところだし、六本木ミュージアムのある辺りは相模小田原藩藩主の大久保加賀守の中屋敷だったところで、他にも古地図を見ると肥前福江藩藩主五島左衛門尉の上屋敷もあったようだ。
明治時代になって、そのような広大な屋敷が払い下げられたのが、この辺りに広い敷地を持つ施設が多い理由のようだ。前述の東京文化会館と六本木ミュージアム以外にも、鳥居坂の坂上には東洋英和女学院、鳥居坂教会など大きな敷津を持つ施設が連なっている。
そもそもこの辺りに大名や武家屋敷が建ち並んでいたのは、この場所が尾根になっているからだ。江戸では周囲よりも高い位置にあるところには大名や武家が屋敷を構えるのが一般的だった。今では大きな建物が建っていて、歩いても見晴らしが良い印象を受けないものの、かつては周囲を見渡せるような場所だったのだろう。
交差点にやって来て、ふと見上げると遠くに東京タワーが見えた。かつての見晴らしの良さを垣間見たような気がした。
2021年7月 町角 東京 | |
交差点 歩行者 六本木 塔 |
No
11964
撮影年月
2020年12月
投稿日
2021年07月11日
更新日
2023年08月20日
撮影場所
六本木 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF