入ってはいけないと言われると、中に入りたくなるのが人の性だ。世界遺産にも登録された沖ノ島にも、一般人の上陸が禁止されたと聞けば俄然訪れたくなるし、沖縄の御嶽も、実際に催事を催している時に訪れてみたいと思ってしまう。でも実際に行動を起こすのは難しい。そもそも大抵の場合、宗教上の理由で禁足地になっていることが多い。そのため禁足地に禁を破って足を踏み入れたら、何かしらの祟があるような気がして、信心深くなくても小心者の僕にはことさらハードルが高いのだ。
そのハードルは、本八幡駅の近くを歩いていると現れる「八幡の藪知らず」という禁足地の前に来たときにもやはり高かった。市川市役所の斜め向かいにあって、交通量の多い道路沿いにある何の変哲もない竹藪なのだけれど、これが禁足地なのだ。その竹藪を立ち止まって眺めてみると、小さな不知森神社が道路沿いに鎮座しているものの、竹藪に入れるような入り口は見当たらない。中に入れば二度と出ることができないとか、祟りがあるといわれているのだから、入れないようになっているのは当然のこと。行く手を遮るのは簡単に超えられそうな低い塀だけなのだけれど、小心者の僕には塀の向こうに不穏なものが待ち構えているような気がして、とてつもなく高い塀に感じるのだった。
2023年6月 千葉 自然 | |
竹 カップル 塀 市川 神社 鳥居 |
No
12500
撮影年月
2023年2月
投稿日
2023年06月01日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
市川 / 千葉
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF