浅草橋駅からさほど離れていないところに柳橋という橋が架かっている。神田川に架かる最後の橋だ。これを超えると、神田川は隅田川に注ぎ込んでいる。小さな橋で目立たない存在だけれど、造りは立派だ。大きな鉄骨で作られているこの橋は、関東大震災の復興事業として作られたものだった。今ではすっかり寂れてしまっているけれど、この辺りはかつては花街で大層賑わっていたらしい。それが復興事業の一環として、この橋が選ばれた理由なのだろう。時は流れて花柳界は廃れてしまったけれど、橋の方は建設当時の威厳を保ち続けている。
橋の上に立ち止まって、鉄骨の向こうに見える街並みを眺めていると、帽子を被った男が現れた。男はゆっくりと橋を渡って、町の中へと消えていった。
2017年8月 町角 東京 | |
浅草橋 橋 縁のある帽子 |
No
10239
撮影年月
2017年1月
投稿日
2017年08月07日
更新日
2023年09月09日
撮影場所
浅草橋 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA