東京の後楽にある小石川後楽園はもともと水戸徳川家の上屋敷だったところ。現存している庭園も水戸藩初代藩主徳川頼房が命じて築いた庭園を、二代目藩主光圀が改修し完成させたものだ。
徳川光圀と聞いても馴染みのない人もいるかもしれない。しかし水戸黄門と聞けばほとんどの人がピンとくるだろう。時代劇の主人公として人気を博した黄門様は、水戸藩の二代目藩主をモデルとしている。つまり小石川後楽園を完成させたのは黄門様なのだ。
そのため小石川後楽園には光圀の時代に造られたものも残っている。写真の円月橋もそのひとつだ。明からやって来た儒学者で光圀が師事した朱舜水が設計したとされ、橋と水面に映る橋の形で満月になることからその名がついたという。
「橋と水面に映る橋の形で満月になる」というエピソードだけを読むと、満月の形に見えるために橋桁を大きく湾曲させているように思えてしまう。けれど円月橋と呼ばれるこのような橋には実用上の理由も存在していた。もともと中国で考案された形状で、船が運航している間も歩行者がその上を通行できるように考えられているのだ。確かに今でも使われている水路の多い蘇州で架かっている橋の多くは、円月橋のように橋桁が大きく湾曲していた。
2022年1月 町角 東京 | |
バック・ショット 男の子 橋 庭園 後楽 指差し |
No
12143
撮影年月
2021年11月
投稿日
2022年01月12日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
後楽 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF135MM F2L USM