神使あるいは眷属というと、不動明王のように見るからに怖そうなタイプや大神神社の蛇ようにできれば近寄りたくもないタイプがいる一方で、滋賀にある日吉大社の猿や奈良にある春日大社の鹿、和歌山にある熊野三社の烏など可愛らしい一面もある動物であることも多い。
そのような中、ここ東京の元赤坂に鎮座する豊川稲荷の眷属は京都にある伏見稲荷大社と同じように狐だ。本殿の脇に巨大な狐がおすわりしているし、奥の院の周辺にも何匹もの狐が目を光らせていて、境内のあちらこちらで狐の姿を目にするのだ。
このように豊川稲荷では神使とされる狐も、面白いことに西洋世界ではネガティブなイメージで語られることが多い。「世界シンボル辞典」によると多くの伝承で狐は狡猾と奸計を象徴する動物として描かれているという。さらには火を連想させる赤みがかった毛色から悪魔の使いとされることもあったようだ。
確かによくよく考えてみれば日本でも狐は人間にとって有益なものとされるばかりではない。昔話に登場する狐は人間を騙したりたぶらかしたりするような狐ばかりだ。人間にとって有益であろうと災禍をもたらそうと、昔の人は狐に人間を越えた神秘性をみていたのだろう。
2022年2月 静物 東京 | |
狐 緑 元赤坂 影 像 寺院 |
No
12189
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年02月27日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
元赤坂 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35