細長い参道を抜けて随神門をくぐり、石段を数段上がるとそこは朱色の塀に囲まれた馬橋稲荷神社の社殿だった。社殿の前にはお稲荷さんの眷属である狐が鎮座していて、参拝者の様子をうかがっている。玉をくわえたり、稲穂をくわえたりする狐がいる中で、ここの狐は凛々しい顔で巻物をくわえていた。巻物は知恵を象徴しているのだという。涎が垂れても良いように涎掛けをしている知恵者というのは、一見すると矛盾しているような気がしてしまうものの、そういう設定なのだから仕方がない。神様の世界は人智を超えているのだろう。
巻物をくわえた狐は知恵者であるだけでなく、人望も兼ね備えているようで足元には大勢の従者を従えていた。面白いのは目を吊り上げて鋭い視線を投げかけているのはリーダーの大きな狐だけで、足元に集合している白い小さな狐は目を細めていたこと。鋭いとはいえ、視線を向けられていると関心が自分に向いているように思えるのに対し、目を細めていると自分に関心が向いているようには思えない。困っても助けてくれないし、願い事も聞いてくれないように見えてしまうのは僕だけだろうか。
2022年9月 静物 東京 | |
阿佐ヶ谷 狐 神社 像 |
No
12364
撮影年月
2022年6月
投稿日
2022年09月02日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
阿佐ヶ谷 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85