そんなものに乗るのはどこか他からやってきた観光客ばかりだと思っていたのに、どうやらそうでもないらしい。ジャカルタの住宅街を歩いていると、どこからともなくパカパカと馬の蹄の音が聞こえ初め、遠くにここではアンドンと呼ばれる馬車の姿が見えたのだった。観光地であるファタヒラ広場の辺りではアンドンが走っていたり、道端で客待ちをしているのを目にするのだけれど、観光客のなんてひとりもいない住宅街の中を走っているのを目にしたのは初めてだった。
走ってくる馬車は、馬自体にも装飾が施され、馬車の車体にもポンポンや花が飾らり付けられていて、非日常感が演出されている。日常で埋め尽くされている住宅街の中ではちょっと場違いだった。観光客がわざわざ何の変哲もない住宅街へとやってきているとは考えづらい。乗っているのは地元の人だろう。かつて訪れたメキシコのフチタンと同じように、地元の人でも馬車に乗ることもあるようだ。
今ではバジャイやバイクタクシーが地元の人の主な交通手段になっているジャカルタの町でも、馬車が地元の人の交通手段だったことがあるに違いない。住宅街の中を走り抜けていく馬車はその時代の名残のような気がした。
2020年10月 インドネシア 乗り物 | |
馬車 煙草 馬 ジャカルタ 住宅街 |
No
11690
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月06日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF