ミャンマーのヤンゴンで撮影。
住宅街の中の道を歩いていた。そこそこ幅の広い道だったけれど、どこかに抜けられる訳でもなく自動車の行き来はほとんどない。地元の人びとが思い思いの方法で路上で時を過ごしているのだった。この道は地元の人たちの憩いの場になっている。子どもたちはあちらこちらで遊び回っていて、大人たちもあちらこちらで世間話に花を咲かせている。僕は地元の雰囲気を味わいながら、のんびりと過ごしている人びとを横目にどんどんと奥の方に向かっていた。
そうこうしていると、道端に白いプラスチック製の椅子が置かれていた。お母さんの女性が椅子の上で胡坐をかいていて、通りの奥の方をぼんやりと眺めている。そして、脇には幼い女の子が寄り添っていた。お母さんに凭れかかった女の子は、お母さんのことを見る訳でもなく、どこか上の方に視線を向けている。何を見ているのかはわからないけれど、なんだか楽しそうだ。この親子連れも、他の人びとと同じように長閑な日常にしっかりと浸かっていた。