台南の古い低層住宅が立ち並ぶ道を歩いていると、のどかな住宅街の風景が広がっていた。一見すると、住宅ばかりが並ぶ静かな通りに思えるが、よく目を凝らしてみると、いくつかの家が商売を営んでいるのがわかる。時折見かける看板が、そのことを静かに物語っていた。
写真の看板もそのような中で見つけたものだ。小ぶりで目立たないそれには、端正な漢字で何かが記されている。読み取ってみると、どうやら洋服のお直しをするお店らしい。しかし、派手な宣伝や目立つ装飾はなく、看板は軒下に控えめに掲げられている。電話番号も書かれているが、むしろ「知る人ぞ知る」ような存在感だ。ここはきっと地元の人々にとって馴染み深い存在なのだろう。
おそらく、近所の人たちが困ったときに頼りにする、そんな隠れた職人の家。商売っ気を前面に押し出すわけではないけれど、確かな腕を持ち、地元の人々に支えられてきたに違いない。通りの静けさと、看板の控えめな佇まいが、不思議と温かみを感じさせてくれた。
2017年3月 町角 台湾 | |
漢字 軒先 住宅街 看板 台南 |
No
10084
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月25日
更新日
2025年01月14日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM