神宮前に建つ東郷神社の扉に大きな紋章が据え付けられていた。金色に輝く紋章には、いわゆる菊の御紋と蔦の葉の組み合わせが描かれている。菊の御紋はいわずもがな、皇室の家紋だ。では蔦の葉は何なのかといえば、これは東郷家の家紋なのだ。ここは日露戦争で連合艦隊司令長官として指揮を執った東郷平八郎を祀った神社。皇室と東郷家の家紋が一緒に描かれているのだ。
日本では第二次世界大戦後に軍人の地位がかなり下がってしまったので、あまりピンと来ないものの、ウィキペディアによれば東郷平八郎は『日本の国際的地位を「五大国」の一員とするまでに引き上げた一人』だ。東京の神宮前には東郷神社が建てられ、府中には東郷寺も建てられるくらい人気と人望があったのだ。
ロシア帝国海軍バルチック艦隊を破ったことで世界の注目を集めた東郷平八郎は、アメリカのニュース雑誌タイムの表紙を飾った初めての日本人でもある。時は1926年、東郷平八郎が大勲位菊花章頸飾を受章した年だ。アメリカの雑誌が大日本帝国海軍の元帥を表紙にするほど、日本の海軍力が警戒されていたのだろう。今となっては隔世の感を禁じ得ない状況だ。
2022年5月 建築 東京 | |
扉 神宮前 神社 |
No
12276
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月25日
更新日
2023年08月13日
撮影場所
神宮前 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35