台湾の高雄に逍遥園という観光スポットがある。2020年から公開されている比較的新しい観光名所だ。でもその歴史は実は長く、数少ない日本統治時代に建てられた「⽇式建築」と呼ばれる和⾵建築の建築物だ。この建物は大谷光瑞という人物が1940年に別邸として建てたもの。高雄の将来性を見込んだ大谷光瑞がこの地に農園を造り、その傍らに建てたのが逍遙園だ。第二次世界大戦後は中華民国政府の軍人やその家族が生活する眷村の一部になってしまい、 月日の流れとともに廃墟と化していたという。それを修復し古蹟として保存しているのだ。
逍遥園を建てた大谷光瑞は浄土真宗本願寺派の最高指導者だった人で、その活動は宗教家という枠に収まらない。孫文が率いていた中華民国政府の最高顧問にも就任しているし、東京国立博物館に収蔵されている大谷探検隊将来品を持ち帰ってきた大谷探検隊を派遣したりしている。第3代宗主・覚如の末裔である大谷光瑞には絶大な権力があったらしい。しかしながら大きな費用負担が本願寺の財政を危機に陥れてしまい、大谷光瑞は宗主を引退に追い込まれてしまう。スケールは大きいものの、金銭感覚はあまりなかったのかもしれない。
2024年8月 建築 台湾 | |
扉 高雄 階段 窓 |
No
12639
撮影年月
2024年3月
投稿日
2024年08月30日
更新日
2024年09月04日
撮影場所
高雄 / 台湾
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF