路地を歩いていると、少しだけ開いた扉が目に留まった。何気なく覗き込むと、そこには祭壇らしきものが見えた。掛け軸が壁に掛けられ、その下には木彫りの像や陶器の小さな壺が並べられている。何の宗教かは分からないが、どこか厳かな雰囲気が漂っている。誰もいないその空間には、静寂と時間の重みだけが存在していた。
台南には数え切れないほどの寺院が点在している。しかし、それらすべてが一般公開されているわけではない。なかには特定の氏族や地域共同体によって建てられたプライベートな寺院もあるのだ。この場所もきっとそのひとつなのだろう。ここも扉が閉じていたら、寺院であることには気づかないような外観だった。でも、それが垣間見えたら立ち止まざるを得ない魅力が開いた扉が漏れ出ていた。
2017年3月 町角 台湾 | |
祭壇 扉 台南 |
No
10083
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月24日
更新日
2025年01月18日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM