ジャカルタでも色々な路地を歩いたけれど、今度やってきた路地は異色だった。路地のどちら側も背の高い壁になっていて生活臭は全くしない。両脇が住宅ではないだけでなく、窓さえもほとんど無い壁が続いているのだ。このように壁に挟まれた路地を歩くと実験に使われるラットの気持ちが少しだけわかったような気がした。そして、ラットを気の毒に思う。迫りくる壁に挟まりながらあるはずもない出口を求めて、来る日も来る日もこのような路地を歩かされたら発狂してしまいそうだ。
幸いにも、僕が歩いていた息苦しい路地はすぐに終わりが見えて、先には移動式屋台も置かれていた。そして、移動式屋台の向こうから女性が現れてこちらに向かって歩いてくる。このまま進んでも、出口の見つからない立体迷路に迷い込んでしまうことはなさそうだ。まあ足を踏み入れた当初から目を凝らせば路地の先に庶民の住宅が見えていたから、足を踏み入れたわけだけど。閉所恐怖症の人間であっても先に普通の住宅が見えていたら走り抜けることは可能だろう。
2020年12月 町角 インドネシア | |
路地 ジャカルタ 壁 |
No
11759
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月14日
更新日
2024年08月22日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF