それなりに年を重ねてきたものの、知っていそうで知らないことはまだまだある。例えば洋食屋さんでカレーを頼むと出てくるカレーの入っている容器の名前もわからないし、パンの袋などを閉じるために付いてくるプラスチック製の留め具の名前もわからないし、中華まんの下に敷かれている薄い紙の名前も分からない。
銀座通りを歩いていた僕は、この日が週末であるのに気がついた。週末には銀座通りが歩行者天国になるはず。それなのに僕が歩いている銀座通りの中央を自動車がまだ我が物顔で走っていた。そういえば歩行者天国になった銀座通りを歩いたことは何遍もあるけれど、歩行者天国に変容する瞬間を体験したことは一度もない。
調べてみると、銀座通りが歩行者天国になるのは時間が限られていて終日ではなかった。正午から夕方6時までの6時間だけだ。時計を見ると歩行者天国に変貌する12時まではあと少し。僕は銀座通りを行ったり来たりしながら、その時間が来るのを待っていた。すると、その瞬間はあっけなくやって来た。歩行者天国になるというアナウンスが数回流れ、いつの間にか銀座通りに自動車はいなくなっていた。逃れ遅れた自動車が右往左往するような場面を期待していたのだけれど、変容は意外なくらいスムーズだった。
2022年1月 町角 東京 | |
銀座 歩行者 壁 |
No
12147
撮影年月
2021年11月
投稿日
2022年01月16日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
銀座 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF