まだ肌寒いくせに、日差しは一丁前に眩しかった。西新宿に建つ小田急デパートの前を歩く人びとの多くは、その日差しに目を顰めていた。写真の若い女性も、歩きながら腕を顔の前に上げて日差しを遮っている。
背後の赤い壁面は小田急百貨店本館のもの。開業したのは1967年というから、西口にあった広大な淀橋浄水場が廃止されてから間もない頃からここに建っていることになる。つまり新宿駅西口の発展をつぶさに見てきた生き証人なのだ。
そんな生き字引のような本館も2022年9月で営業を取り止めるのだそうだ。一義的には西口の再開発のためだとされるが、百貨店という業態が今のご時世に合わなくなっているのもあるに違いない。その証拠に本館の跡地に48階建ての高層ビルが竣工するものの、小田急百貨店が中に入るかは定まっていないのだ。
この場所からデパートがなくなってしまうのかどうかは定かではないものの、高層ビルが竣工したら、この場所で強い日差しに目を顰めなくなるのは確実だろう。
2022年5月 人びと 東京 | |
西新宿 歩行者 日差し 壁 若い女性 |
No
12253
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年05月02日
更新日
2023年08月14日
撮影場所
西新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35