ジャカルタの住宅街を歩いていると屋台が出ていた。屋台には車輪が付いていて移動できるようになっていたけれど、その日の気分で営業する場所を変えるような本当の意味での移動式屋台ではなく、おそらくは自宅の前に駐めて自宅の軒先がお店になるようにしているような感じだ。屋台は町のあちらこちらを走るバジャイと同じように青く塗られていて爽やかな印象を受ける。屋台の上に伸びているテントの色もやはり青だ。
屋台には色あせた料理の写真が貼ってあった。それによると、この屋台は麺類を出す屋台らしい。お椀には日本のラーメンと同じように汁がたっぷりと入っていて、インドネシアで一般的なミーアヤムとは違うようだ。でも何なのかは分からない。いずれにしても、汁が滴る麺は美味しそうだ。
作る人に聞いてみようと思ったけれど、屋台の向こうには誰もおらず、黄色のお箸と調味料の瓶が見えるだけだった。誰か客が来たら家の方から料理する人がやってくるのだろう。そう思って屋台の裏に視線を向けると人間の足が見える。家の中ではなく、屋台のすぐ後ろの日陰で寝ているようだ。そして、その足元には赤ちゃんが立っているのも見えた。屋台は生活臭の漂う真っ只中で営業していたのだった。
2020年12月 町角 インドネシア | |
赤ちゃん 食べ物の屋台 ジャカルタ 脚 |
No
11760
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月15日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF