東京の板橋に高島平団地という団地がある。36万5000平方メートルもある敷地に64棟もの集合住宅が立ち並び、団地内の住人は1万6000人を数えるという巨大な団地だ。大きな敷地に大きな建造物が並んでいる。そんな団地を歩いていると、すぐ近くに見えるのに実は結構離れていたりしてあまり好きではない。ちょっと馬鹿にされた気になるのだ。
歩いている道の左にも右にも団地の建物が建っていた。当たり前なのかもしれないけれど、立ち並ぶ集合住宅のデザインは良く言えばシンプル、悪く言えば没個性だ。どれもこれも似たようなデザインで、建物を見て自分がどこにいるのか把握するのが難しい。実際に宅配業者が迷子になったり、酔っぱらった住人が自分の家に帰れなくなるなんてこともあるらしい。
似たような建造物を見分ける数少ない手がかりは、壁面に書かれた団地内の番号だ。番号なくして建物を特定するのは、相当の強者でなければ難しいに違いない。例えば、番号も何も書かれていないこの写真を見て、団地の中のどの建造物なのか特定できる人はほとんどいないのではないだろうか。
2021年10月 建築 東京 | |
アパート 影 高島平 ベランダ 壁 |
No
12065
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月20日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
高島平 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF