護国寺の御本尊である如意輪観世音菩薩は秘仏で、その姿を目にすることは叶わない。しかし、境内には気軽に目にすることのできる仏像がいくつか静かに佇んでいた。写真は小径の脇に立っている地蔵菩薩だ。左手に如意宝珠を持ち、目を閉じて穏やかに立つその姿は、どこか静寂を纏っているようだった。その奥には、もうひとつの仏像が見えていた。
立像の地蔵菩薩とは異なり、こちらは坐像だった。ふたつの地蔵はそれぞれ異なる方向を向いている。同じ仏法の世界に属するはずなのに、こうして互いにそっぽを向いている姿を見ると、どこか仲違いをしているようにも見えてしまう。不思議な感覚だが、そんなふうに思ってしまうのは人間の目を通した視点なのだろう。
2017年7月 静物 東京 | |
仏像 大塚 寺院 |
No
10204
撮影年月
2016年12月
投稿日
2017年07月07日
更新日
2024年11月24日
撮影場所
大塚 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA