京都御苑は京都御所の周辺に広がる公園だ。この辺りには明治時代になって遷都されるまで、豊臣秀吉が京都改造の一環として移住させた多くの公家屋敷が立ち並んで公家町をなしていたのだという。しかしながら、明治以降は華族の東京移住が義務付けられたことに伴い、もぬけの殻になってしまった。およそ140あった宮家と公家の邸宅の中で今でも屋敷が残っているのは閑院宮邸だけで、桂宮家の邸宅も建物は現存しているものの、二条城の本丸に移築されてしまっている。
五摂家のひとつである九条家の屋敷も今の京都御苑の南西に建っていたのだという。母屋などの主要な建物は東京移住に伴い移築されてしまった一方、200年ほど前に建てられた拾翠亭と呼ばれる茶室だけが今でも九條池の畔に建っている。それが写真の建造物だ。
茶室と言っても、2階建て建物は大きく、部屋数も多い。僕が住んでいるマンションよりも床面積は大きいに違いない。これが茶室だとすると日々生活する母屋はもっと立派な造りだったのだろう。さすがは摂政、関白、太政大臣にもなれた五摂家だ。
2021年4月 建築 京都 | |
家屋 京都市 |
No
11881
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月19日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
京都御苑 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF