東京藝術大学には、文系の大学を卒業した人間には思いもよらない卒業作品のお買い上げというシステムがある。卒業制作の中から優秀な作品を選定し、大学が買い上げているのだ。前身である東京美術学校の時代から続いている伝統で、今までに買い上げた「学生制作品」は1万件を超えているのだそう。
これらの作品を単なる学生が制作した作品だと思ったら大間違いだ。確かに学生が制作したものなのだけれど、単なる学生ではない学生も大勢含まれている。日本の美術史に名を残すような人の作品もあるのだ。横山大観の作品も含まれているし、東山魁夷、藤田嗣治、高村光太郎らの作品もお買い上げされている。教科書で見た横山大観は和装した老人だったけれど、そんな彼にも学生だった時分があるのだと思うと面白い。
そんなわけで、この日は上野にある東京藝術大学の美術館に買い上げてきた作品を一堂に展示する「買上展」を見に来ていた。上からだとおにぎりのように見える階段を上り下りして作品を鑑賞していると、音楽部のお買い上げ作品も展示されていた。絵画や彫刻、映像作品は形があってお買い上げされるというイメージが分かるものの、音楽のお買い上げをイメージするのは難しい。制作した楽曲の楽譜が展示されていたけれど、これは著作権を大学が購入したということなのだろうか。
2023年11月 町角 東京 | |
博物館・美術館 階段 上野 |
No
12534
撮影年月
2023年4月
投稿日
2023年11月04日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85