上野広小路から上野公園へ入っていくと緩やかに坂になっている。噴水のあるところまで来ると、そのまま緩やかに国立博物館へ伸びている坂道と西郷隆盛像の立つ山王台に上がっていく急な階段の二手に分かれている。
今では桜の名所で博物館・美術館が集まっているところくらいのイメージになっている上野公園は、かつて徳川将軍家の祈祷所・菩提寺であった寛永寺の境内だったところ。江戸城の鬼門を守護するために将軍家によって創建された寛永寺の境内は広く、様々な伽藍が立ち並ぶ大伽藍だったのだという。
しかしながら寛永寺境内は1868年の上野戦争の戦場になった結果、主要な堂宇は焼失してしまって現存していない。残念。ちなみに上野広小路から入ってきて二手に分かれるとろこにある噴水は寛永寺の表門である黒門が建っていたところで、噴水はここに黒門があったのを示すモニュメントなのだ。
不思議なのは、かつて建っていた黒門を記念するモニュメントがこの場所に建っているのに、本物の黒門はここではなく南千住にある円通寺に移築されてしまっていることだ。円通寺にある黒門には銃痕が残っていて、上野戦争の激しさを今に伝えているという。銃痕の残る黒門が今でも上野公園に建っていれば、歴史を伝えるモニュメントとして相応しい上に名所になっていたに違いないのにもったいない。
2021年9月 町角 東京 | |
カップル 公園 階段 上野 上野公園 |
No
12029
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年09月14日
更新日
2023年08月18日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF