上野公園から東京国立博物館に入ると、真正面に待ち構えているのが本館だ。がっしりとしたコンクリート製の洋式建築に瓦屋根をのせ、和風であることを匂わせている。このような和洋折衷の建築様式を「帝冠様式」といい、1930年代の日本で流行した様式らしい。1934年に建てられた九段会館テラスも、1933年に建てられた京セラ美術館も「帝冠様式」で、もちろん東京国立博物館本館も建てられたのは1938年だ。多くの大規模建築に採用され、幅を利かせた様式も、その後はあまり採用されなくなったようだ。時代の徒花だったのだろう。今では帝冠様式という言葉自体がかなりマイナーだ。
外観は和洋折衷の建築様式で建てられているものの、中に足を踏み入れるとあまり和風な雰囲気は感じない。正面玄関から入るとすぐに目に入ってくる大階段も大理石で作られていて、手すりに鋳物の装飾が施されている。まったくもって洋風だ。和風なのは、展示されている兜や蒔絵箱、刀剣などの日本古来からの美術品だけだった。
2024年5月 町角 東京 | |
博物館・美術館 階段 上野 |
No
12591
撮影年月
2023年9月
投稿日
2024年05月22日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF