完全に甘く見ていた。ウェス・アンダーソンという映画監督は素敵な作品をいくつも制作しているものの、ハリウッド映画を作っているわけでもないし、メジャーな監督ではないイメージを持っていた。けれど、それは僕の思い違いで、実際には個性的な世界観の作品が、世界中のファンを惹きつけている映画監督だったのだ。そのウェス・アンダーソンの世界を体現したような風景写真を集めた写真展が大盛況なのも当然で、東京の東品川にある寺田倉庫G1ビルで開催されていた「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」をゆっくり鑑賞しようと思っていた僕の思惑は完全に外れてしまった。
大勢の来場者の合間を縫うように会場を進んでいく。日常の中にある非日常的な場面を写し取った写真を眺めていると、まるで世界各地を訪れる旅をしているかのよう。僕もカメラを持って、今すぐにでもどこかに旅立ちたくなってくる写真展だった。でも同時に考えてしまうのだ。このようなパースの写真を撮るにはどうしているのだろうと。どの写真にもパースがあまりない。例えば、写真のような高い煙突の写真を撮る場合、ただ訪れて撮るだけでは下から見上げた写真になるだけでなく、煙突の頂点が実際よりも小さく写ってしまう。これらの写真はドローンを使っているのか、はたまた撮影後にパースを修正しているのか、それとも違う手法を用いているのか、考えてしまうのだ。
2023年11月 町角 東京 | |
煙突 カップル 東品川 博物館・美術館 シルエット |
No
12535
撮影年月
2023年5月
投稿日
2023年11月08日
撮影場所
東品川 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF