門を入ると正面にどーんと構える本館と比べると、右手に立っている東洋館は地味な印象で、直線ばかりで構成されている外観は生真面目に見える。でも内部の印象はちょっと違う。途中に展示室と展示室を区切る扉はどこにもなく、だらだらと展示室が続いてのらりくらりととらえどころがはっきりしないまま、クネクネと曲がりくねった館内を進んで行くことになる。照明が薄暗く、混雑していることもないので、歩いているとラビリンスを進んでいるような気分だ。実際、途中のどこかに秘密の扉があっても誰も不思議に思わないだろう。
東洋館の内部は順路がきちんと考えられているので、1階から入って順々に展示室を巡っていくと自然と最上階に辿り着くように考えられている。そのような中、ルートに含まれていない階段がある。非常階段のように非常扉の向こうに隠れているわけでもないのに、通る人がほとんどいない階段だ。東洋館の外観と同じように直線で構成されている階段は美しく、幾何学模様のよう。僕は上から長い時間眺めていた。
2024年5月 町角 東京 | |
博物館・美術館 パターン 階段 上野 |
No
12590
撮影年月
2023年9月
投稿日
2024年05月18日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF