プラットホームを歩き回るのを終え、駅舎へと戻った。60年以上前に建てられたヤンゴン中央駅の駅舎は古めかしい。屋根が高く、重厚な雰囲気を醸し出していたホールの中央に切符売り場が設けられていた。昔ながらの窓口での対面販売だった。ホールを見回しても自動券売機の類いは見当たらないから、ここでは窓口での対面販売で切符を買うのだ。窓口の上には時刻表らしきものが掲げられている。この国随一の駅を走る列車の数はそれほど多くはない。
ロンジーをはいた男が窓口のひとつの前に立っていた。眺めていると、長いこと窓口の前に立ったまま、台に寄りかかった男は販売員と何やら話し込んでいた。列車の切符を買うには時間がかかりすぎている。それほど列車の本数があるわけではないから、切符を買うのは簡単ではないかと思ってしまう。にもかかわらず時間がかかっているのは、男は切符を買うためでなく、単に世間話をしているだけだからかもしれない。そう思わせるくらい、大きな駅舎のホールには長閑な空気が漂っていた。
2019年7月 町角 ミャンマー | |
バック・ショット 時計 ロンジー 駅 ヤンゴン |
No
11120
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年07月30日
更新日
2023年10月04日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA